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そんな私達を、リクト先輩とカイト先輩が信じられない物を見る目付きで見つめている。
「アキのそんな姿、もうマジで信じられねー。
何でハルちゃんだけそんなフニャフニャなワケ?アキの鋼鉄の仮面、どこに脱ぎ捨てて来たんだ!?」
声を揃えてリクカイ先輩が言う。
スゴい酷い言われよう、だ。
……それはさすがに大袈裟じゃないですか?
アキ先輩は「ハァ…」とため息を1つ吐いて、重たそうに口を開いた。
「あのな、カイト。バカな事言ってんなよ。
……何でって、ハルが特別だからだろ?誰でも分かるような事聞くなよ…ったく…」
アキ先輩は、相手をするのもしんどいといった表情で、ため息と一緒に面倒臭そうに答えた。
「リク、カイ。もういいから、さ……。
悪いけどもうハルと2人にして?」
そ、そんな、ストレートに……!
言い過ぎじゃない?って今度はアキ先輩の顔を窺った。
けれど、リクト先輩もカイト先輩も別段気分を害した風でもない様子。
もちろん、アキ先輩も。
長年のチームメイトというだけあって、絆っていうか……お互いを理解し合ってるんだろうなって感じた。
「じゃぁ、そろそろカズヤとイズミとバトンタッチしようかなー?アイツらさっきから、やたらこっち気にしてるから」
リクト先輩とカイト先輩は明るく「またね」と言いながら、イズミ先輩の所へ向かって言った。
向こうの方から「選手交替ですー!」なんて言っている、リクト先輩とカイト先輩のはしゃぐ声が聞こえてきた。
アキ先輩は「疲れた」「ハルと早く2人になりたい」とかブツブツ言いながら肩を落としていて、
申し訳ないけど……チョット笑えてしまった。
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