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えぇ!?
男の人、だったんだ。
私、アキサンって聞いた時から女の人だって信じて疑ってなかったよ。
ホント、失礼だ。
……私。
そして、壇上の人に目を向けた瞬間……。
何か、違和感。
それから……
既視感っていうの……か、な?
壇上の生徒会長の『アキさん』は、というと。
涼しい顔で在校生挨拶をしている。
どこかで会った事がある、様な。
知ってる人の様、な。
その時ーーー。
壇上の生徒会長さんが、シルバーのシャープな印象の眼鏡を静かに外して……、
『コトッ』机上に置いた。
「…………
どうか三年間、有意義に過ごして下さい」
そう言って、
丁寧に一礼し檀上から下りた。
場内が再びざわめく。
在校生だけでなく、新入生からも……。
ざわめき、っていうより。
小さな悲鳴……そんな声。
私は……眼鏡を外した顔を見て、
その時、ようやく思い出した。
今朝、助けてくれた。
優しい上級生の事を。
印象が違うから、全然わかんなかったって言っても……怒らないでくれますか?
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