運命の出会い?

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   まず先輩が案内してくれたのは生徒玄関だった。      けれど入学案内書には『中庭にてクラス発表』そう記入されていた。    クラスの確認すら出来てない私には、自分の靴箱はもちろん教室までたどり着く事は不可能では?と不安になった。      先輩に手を引かれるまま歩いて来たけれど。  まずは中庭に行った方がいいんじゃないかな。そんな考えが頭に過った時だった。 「キミの名前……聞いてなかったと思うけど?」    先輩の優しく落ち着いていて、ちょっぴり甘い口調に、私はすっかりリラックスしていた。   「あ。すっ、すみませんっ。  私、桃谷羽琉と言います」 「モモヤさん?へ、ぇ……。  ん。オッケー。ハルちゃんだね。覚えたよ。  ちょっと待って?今、クラス調べるから」  そう言うと、先輩はポケットから携帯電話を取り出し、どこかに電話をかけ始めた。  しばし……無言。     「あー。オレだよ。  新入生のモモヤハルさんのクラスを調べて?よけいな事話してる暇ナイから、早くしてね?」    さっきまでの先輩とは全く別人みたいな早口。そして雑で淡々とした話し方。    私は口を挟めるような立場でないから、決して口にはしないですけど。    先輩は、二重人格ですか?    何だか……  ちょっと怖いです、よ?     
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