運命の出会い?

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   電話の時の高慢な口調とは正反対に、私に対しての態度は温厚で誠実。いたって紳士的だった。  新入生(=私)への、気遣いがそうさせてるのかな?    よくわかんないけど……。 「お待たせ。ハルちゃん。ハルちゃんのクラスは1年3組だって。教室へ案内するから急ごう」 「はいっ!」  先輩に出会えて、先輩に声かけてもらえてホントに良かった!   ーーー  さすがに集合時間を過ぎている時間だったから、廊下に出ている生徒はおらず、1年生の教室がある階は静まりかえっていた。  各教室からはヒソヒソと、少し遠慮がちな話し声が聞こえるだけ。   「じゃ、この突き当たりが1年3組だよ。  もう1人でも大丈夫だよね?」    そう言って、先輩は目を細めた。 「ホントになんてお礼を言ったらいいか。  このご恩は決して忘れません。  先輩、本当にありがとうございました!」 「ご恩なんて!  クスクス……ハルちゃんは真面目なんだね?    気にしないで。また困ったことがあったらいつでも言っておいで?  じゃ、僕は行くから。ハルちゃんも教室に入りなよね?」    そう言うと先輩は踵を返し、ひらひらと手を振りながら行ってしまった。  私はボーッと先輩の後ろ姿が見えなくなるまで見送った後で……気が付いた。  しまったっ!!!!!    先輩の名前聞くの忘れてた!    大恩人なのにーーー!    私のドジっ!!!  
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