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失恋の覚悟もあった祐子には、この上ない幸運であった、と今でも思う。
実際その後の二人の思い出は、とても素晴らしいものだった気がする。
と言っても他人から見たら、何もかも他愛もないことばかりなのだろう。
ある日、祐子は委員会の仕事があって少し遅くなった。
辺りはもう暗い。
校舎から出ると、まだ野球部がいた。
祐子はそっと近づいてみた。
もう後かたづけをしているようだった。
慎也の姿を探してみたが、暗くてよく見えないし、皆同じユニフォームでなお分からない。
祐子は諦めて帰ろうとした。
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