回想2~浮遊~

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「あの上村さん?」 後ろから呼び止める声がして、振り向くとなんと慎也だった。 なんと、彼の方から見つけてくれたのだ。 そして不意のことなのに、祐子はどうしてか落ち着いていた。 当然驚きはしたのだけど、不思議な心地よさがあった。 慎也の姿を見つけて安心したのだ。 これが安らぎなのだろうかと、初めて思ったのはこの時だった。 「あの、もう部活は終わったんですか?」 祐子はそう切り出した。 クラスメートなのについ敬語になってしまう。 これは良くないのに。 「ああ、片づけるのは一年だから」 なるほど、と思った。 「私、委員会で遅くなってしまったの。そしたら野球部はまだいて。びっくりした」 「ああ、そうだったのか。これから、帰るの?」 「うん」
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