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それから慎也は自然に会話してくれた。
自分は随分緊張していたのに。
凄く頼もしかった。
そしてその明るさは、意外でもあった。
ただ今思えば、部活の後は気分が高揚するものじゃないかと思う。
つまり、素のままに近い部分だったと思うのだ。
でも、それ自体が優しさであったかどうかなど、どうでもいいことだ。
二人は、帰路を共にした。
それはこの日が初めてだった。
しかも、普段より遅い時間というだけでエキゾチックな感じまでする。
どうかこの懐かしい思い出を笑わないで欲しい。
まだ幼かったのだ。
淡い恋いでも深く酔えるような、子供だったのだ。
とにかく、その時はそれだけで、まるで異世界にいるような心地だった。
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