回想3~別れ~

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「遅刻だよ?」 そう言ってみた。 「ごめん、ごめん」 少し笑ってる。何がおかしいのだろうか。 「じゃあ、行こうか」 そう言うので、あっさり許した。 祐子はあまり口うるさい女にはなりたくなかった。 お決まりのデートコースを一回りした後、慎也は祐子に渡すものがあると言った。 そう言うと、鞄から綺麗に包装された何かを取り出した。 「何? これ」 「祐子の、誕生日プレゼント」 祐子は先週、誕生日だった。 そのことを慎也が忘れていたので、怒ったことがあった。 でもそれは、誕生日を忘れたことを怒ったのだ。 慎也はそれを、プレゼントがないせいだと勘違いしたらしい。 少し不快になった。 でも、態度には出さない。
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