回想3~別れ~

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「でも、私何もあげてないよ?」 慎也の誕生日は四月だった。 付き合う前に過ぎている。 だから今年はプレゼントは要らないと、前に話したはずだった。 忘れたのだろうか。 「いいから、受け取ってよ」 慎也にすれば、純粋に何かを贈りたい心理だったに違いない。 それに自分の部活の忙しさの引け目みたいなものもあったのだろう。 ただ喜んで欲しい。 極めて単純な駆け引きであったはずだ。
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