回想3~別れ~

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祐子が逃げ込んだのは、例の広大な空き地だった。 「待てよ」 腕を引っ張られて、祐子は振り向いた。 その顔を見て慎也は驚いたようだった。 「どうして、好きだって言ってくれないの!」 悲鳴のようにわめいた。 「好きだよ」 「もう、遅いの」 既に傷ついた心は癒えなかった。 「プレゼントだって今日選んだんでしょ。信じられない。そんな適当に選べるのが」 「ごめんよ」 二人とも大声だった。 初めて本気で向かい合った気がした。 それが、別れになるのだから皮肉なものだ。 「謝ればいいって問題じゃないよ」
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