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その理由も考えずに謝るのも気に入らなかった。
プレゼントだって選ぶとすれば、普通はあれこれ考えて、慎重に選ぶだろう。
最初からデートの日に買おうという考えも、最低だ。
所詮自分はその程度の存在なのだ。
それも仕方ない。
誕生日も覚えてもらってない。
これでは付き合っていたかどうかも疑わしくなってくる。
「俺の何が悪いんだよ」
慎也は言い直った。
本音なのだろう。
こんなに考えがすれ違っていたのでは、もう付き合えない。
我ながら思考が稚拙だったが、この時の私は本当に傷ついていた。
「慎也ぁ、別れよう」
いつの間にか、また涙があふれていた。
言葉を発しながらも、何故自分はこんなことを言えるのか分からなかった。
「うん」
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