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この辺りは海が近いせいもあって、潮風が強い。
長い間いるだけで、髪の毛がパサパサになってしまいそうだ。
そして、今日は寒い。
急がなくてはいけない。
上村祐子はそう思った。
何せこの大地は広すぎる。
ふと、振り返り周りを見渡した。
見える限り、誰もいない。
(やっぱいるはずなんてないな。それもそうよね。二年も前のことだもの)
期待してたわけでもないし、これでいいのだと思う。
私は置き忘れた過去を拾いに来ただけ。
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