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物心ついた時
俺には親はいなかった
母さんと呼べるのは親戚のおばさん
父さんと呼べるのは学校の先生
家族と呼べるのは血が繋がってない人達
いつからだろ
孤独を感じるようになったのは
初めての彼女は俺を可哀想だと言った
二番目の彼女は俺を思って泣いた
三番と四番目の彼女は俺を貶した
いつからだろ
腕に傷痕ができたのは
高校で家をでた
独り暮らし
帰ってくる度に泣いた
嫌なことがあっても慰めてくれる人はいなかった
いつからだろ
夜泣くようになったのは
傷痕は消えることはなくて
痛みも消えてはくれなかった
一人が慣れてきたころには
泣くこともなくなった
いつからだろ
涙を流さなくなったのは
父さんが俺を引き取りたいと言ってきたときには
もうただの脱け殻になっていて
俺は父さんを殴っていた
いつからだろ
人の痛みを感じなくなったのは
大人になった
傷痕はまだ消えていない
でもね
君と出会ったんだ
同じ痛みを感じてくれる君に
君は僕を救ってくれた
たった一言で
私もあなたとおんなじ傷痕があるの
久しぶりに泣いた
いつからだろ
君が俺の存在理由になったのは
いつからだろ
君が最後だって思えたのは
今日も家に帰ると
笑った顔で
お帰りって言ってくれる
今日も俺は言うよ
ただいま
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