prologue

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この街には、神がいた。神は、この地を開拓した移民の一部が持ち込んだとも、古の土地神だったとも言われている。中世ヨーロッパの悪魔崇拝や、異国の怪しげな宗教を取り入れた様式を、心ある者はカルト教団と呼んだが、信者は、いずれ降臨し救済してくれるという神を待望した。だが、時代は彼らに安息の日々を与えはしなかった。この街にも近代化の波が押し寄せ、教団は地下に潜ることになる。街を開発しようとする開発団の人間が、呪いによって何人かが怪死したという噂もあったが、真偽を確かめようとする物好きはいなかった。
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