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十年程前までは魔界と人間界は争いが起きていた。
別にパパが人間界を征服しようとした訳ではない。
ただ普通に魔界で暮らしていただけ。
それなのに何故か次から次へと勇者とか言う人間が魔界に乗り込み、パパを倒そうと躍起になっていた。
何年も続く戦いに、人間も、魔族も、沢山の犠牲が出た。
終わりが見えない戦いに皆疲れていた。
そしてそれを終わらせるきっかけになったのが一人の勇者。
彼は戦いではなく、平和条約を結ぼうと提案してきたのだ。
勿論その勇者の事を信じる者はいなかった。
でもお人好しのパパはその条約を受け入れる事にした。
これ以上無駄な犠牲を出したくなかったから。
その結果、戦いは終わり両方に平和が訪れた。
その勇者は[勇者連合]と言うものを組織し、この平和がいつまでも続く様にパパと連絡を取りつつ関係を維持していたと言う歴史がある訳だ。
その勇者連合と連絡が取れないって……
「嫌な予感がするだろう?ただの杞憂で済めば良いが……」
パパは思い詰めた表情で溜め息をつく。
鼻血を垂らしたまま……
パパ、シリアスなシーンが台無しだよ?
それは笑いを誘ってるんですか?
まさかわざとなの?
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