ぷろろーぐ

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部屋を出て、城を出て、やって来たのは魔界と人間界を繋ぐ大きな門。 依然私は捕まれたまま身動きが取れない。 「これはこれは、カオス様、それにユノ様まで。」 ここの門を守る門番がパパに挨拶をする。 抱えられた私にもね…… 「ユノに社会勉強をさせる。ここを開けろ。」 「人間界に行かれるのですか?ユノ様お一人で?」 「そうだ。」 パパの言葉に門番は驚きを隠せない。 だって私人間界に行った事なんて小さい時に数回行っただけだし、その時はお供をぞろぞろと連れていたから。 「いくらユノ様でもそれは危険なので……」 門番がそう言い掛けて言葉を閉ざした。 パパが鋭い眼光で睨んだから。 これには黙らざるを得ない。 実の娘でもこの顔は正直恐い。 門番はしぶしぶと言った顔で門を開く。 開かれた先は何の光りも見えない闇。 捕まれていた私はその前に降ろされ、思わず、背中に冷や汗が流れた。 「すまんなユノ!これも家族を守る為だ!」 「はっ?」 私が振り向こうとした瞬間にドンと背中を押された。 いや、正確には思い切り足で蹴られた。 私の体はバランスを崩し、開かれた扉に吸い込まれる様に落ちる。 扉の向こうは何も見えない真っ暗な闇。 底があるのかさえ分からないが私はひたすら落ちている。 「ああぁぁぁ!こんのくそじじぃ!」 ありったけ声で叫んでやった。 叫んだ所でこの落下が止まる訳もなく、ただひたすらに暗闇を落ちて行く。 こうして物語は冒頭へと続くーーーーー。
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