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「魔王様ぁー!」
「魔王って呼ぶなって言ってるでしょ!」
「す、すいませんユノ様……」
さっき出て行ったスライムがノックもせずに再び部屋に戻ってきた。
もう!せっかく良い気分に浸ってたのに……
「何?塩辛持って来たの?」
「いえ、塩辛ではなく……」
「ちっ、役立たずが!」
手ぶらなスライムに思わず悪態をつく。
ジト目でスライムを睨んでやったらそのスライムはむにょむにょと不思議な動きをしていた。
その動きにちょっと触ってみたいなんて思ってしまった。
「あの…カオス様がお呼びです」
「パパが?」
スライムがオドオドしながら要件を言う。
相変わらず動きはむにょむにょとしているけど、その怯えは一体何?
パパが怖かったの?それとも私の顔が怖かった?
私の顔だったら首根っこ引っこ抜いて潰しちゃうぞ!
何て爽やかな笑顔で物騒な事を笑顔で言ってみる。
いや、そんな事よりパパだ!
何か面倒な事を言われそうな気がする……
でも行かなきゃ城がぶっ壊されちゃう。
私はむにょむにょするスライムを置いて、急いで部屋を出た。
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