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廊下を歩きながらふと思い出していた。
パパの呼び出しを無視して出掛けてしまった時の事を。
帰って来た時には城は全壊。
見るも無惨な姿になっていた。
パパはキレると手がつけられない。
面倒くさいからと言ってパパを無視したのを心底後悔した。
それ以来、パパの呼び出しには面倒だろうが何だろうが顔を出そうと心に堅く誓った。
でも城が壊れたおかげで私好みの城を建てる事が出来た訳だけど。
だいたいパパの趣味は悪すぎなんだから!
城はデカいだけで、汚いし、暗いし、掃除もされてないし、住めば都なんて言葉があるけどそんなの嘘よ!
あんな城壊れて正解!
パパを差し置いて最上階の見晴らしの良い部屋もゲット出来たし結果オーライ?
そんな事を考えていれば、パパのいる部屋に辿りついて、無駄にデカいドアを開いた。
「パパ何か用?」
パパの部屋に着くなり開口一番にそう尋ねた。
部屋には身長が2メートルはゆうに越える大男がいる。
頭には角が二本生えてて、口からも牙が二本にょきりと生えている。
横幅も無駄にデカい。
これが私のパパ。
「ユノちゃぁぁーん!」
ゴスッ!
飛び向かってくるパパに肘鉄を食らわせてあげた。
そんなデカい体で飛びつかれたら死んでしまうわっ!
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