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沙良(サラ)が、この前電話で言っていたことを思い出した。
沙『アタシ、もう記憶が戻らなくてもいいと思ってる。今が幸せだから、辛い記憶なら消えててもいい』
沙良は今も大阪で暮らしている。
好きな人もできたらしく、ケータイ写真が送られてきた。
少しだけ、たかチャンに似てる人だった。
――アタシもいつの日か、また誰かに恋をするのかな。
優「・・・ヤバいかも」
部屋のドアが開き、優梨が戻ってきた。
青ざめた顔をして、両手でお腹を押さえている。
芽「何かあったの!?」
優「お腹は痛いんだけど、トイレじゃないみたい。これって・・・」
美「えっ!まさか、陣痛!?」
優梨は躊躇しながらも、コクンと頭を縦に振る。
優「・・・そうかも。今はお母さんもいないし、病院についてきてくれる?」
美「わかった!」
芽「――うん!!」
アタシたちは優梨に寄り添った。
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