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『過去』
芽「ナツくんには言ったの?」
優「・・・ううん、絶対言いたくない」
芽「なんで!?ナツくんが父親なのに、なんで言わないの?」
優「育てられないって、ナツの口から言われるのが怖いんだ。それに――苦しむのはあたしだけで充分だから、ナツには知らせたくない」
芽「だけど、二人の子供なんだよ?それに・・・産むことは考えてないの?」
優「――ッ・・・産めるわけないじゃん・・・うちら、まだ高一だよ?ナツは夢を追いかけて、隣の県でサッカー頑張ってるんだから――邪魔したくないの・・・」
一度は、産むことを諦めようと考えた優梨だった。だけど、優梨は大好きなナツの子供を本当に産みたかったんだ。
それから優梨はすぐに学校を辞めた。その時は一人で産む覚悟で・・・。
全てを知ったナツは、優梨と結婚することを決めた。
・・・もちろん、ナツだって色々な葛藤があったと思う。「産むことには反対だ」と優梨にそう言ったこともあったから。
そんな優梨とナツの愛の結晶――梨夏が産まれるんだね。
頑張って。優梨――
アタシはさらに強く、優梨の手を握った。
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