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看「そうですよ。今は順調です。うまくいけば、今晩中には出産ですから・・・えっと、旦那様は立ち会いをご希望されていますよね?」
ナ「・・・は、はい」
看「じゃあ、奥様のおそばについていてあげてくださいね。では後ほど」
看護師は笑顔のまま、病室を出ていった。
ポン―――
優梨のお父さんが、ナツの肩に手を置いた。
優パ「私もそうだったよ。家内が苦しむ姿を見て、戸惑った。・・・だけど、優梨は無事に産まれただろ?女って生き物は強いんだ」
優梨のお父さんにも諭され、ナツは落ち着かなそうに部屋をウロウロと歩き回る。
美「あ、あの。出産ってよくわからないんですけど、今はどんな状況なんですか?」
美亜が小さな声で、優梨のお母さんに尋ねた。
芽「アタシも聞きたいです」
優梨の体の事が心配で、咄嗟にアタシもそう言った。苦しみ続ける優梨の背中をさすりながら、優梨のお母さんは話し始めた。
ナツも病室の隅の椅子に座り、優梨のお母さんの話に耳を傾ける。
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