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「まずは自己紹介だな。君の知っている通り、私は近藤勇だ。なにか困ったことがあれば、遠慮なく言ってくれ」
次に、近藤さんの右側に座っていた土方さんが口を開いた。
「俺は土方だ。…近藤さんはお人好しだが、俺はそう甘くねぇぞ」
まあそりゃあそうだよね。近藤さんはひとつの組織のリーダーとしての警戒心が足りないよね。
その右側に座る沖田さんが、なにが面白いのかにこにこしながらわたしを見る。
「私は沖田総司です。よろしくお願いします」
「俺は原田左之助だ。俺の腹にはな、」
「はいはい左之さん分かった分かった、俺は藤堂平助!よろしく!」
「俺は永倉新八だ!」
わいわいと自己紹介をした三人に、沖田さんがにこにこしながら近づいた。
「三人合わせて?」
「誰が三馬鹿だって!?」
「あはははは!まだ言ってませんよ!あははははははは!」
声を揃えて言った三人に、沖田さんは自覚あるんだ!と畳の上を笑い転げた。原田さんがぶるぶる震えている。顔が真っ赤だ。恥ずかしいらしい。いや、怒ってるのかな?
ふむ、わたしの腹に大ダメージを与えた大声男は永倉さんていうのか。いつか仕返ししようだなんて思ってないです。
「私は山南です」
…頭の良さそうな男性だ。腹にいろいろ抱え込んでそう。
「あとは、先程お前が言ったように、芹沢とその仲間が居る」
うわ、土方さん芹沢さんたちの紹介適当すぎでしょ。
まあ、なにはともあれ。
「よろしくお願いします!」
壬生浪士組でのわたしの生活が、始まった。
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