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「何だよ。おっさん」
俺はこれ以上男を欲してないぞ?
ヨレヨレのだらしないスーツにでっぷりとしたお腹のだらしない体型。インチキ臭い関西弁
しかも林の中から訳わかんねぇ文句を言いながら出てきたとあっちゃ、まあ誰だって警戒するよな。美女なら話は別だが
「あぁ。こりゃ失礼しました。ワテはこういうもんですけどな?」
そう言っておっさんは一枚の名刺を俺の前に差し出す
「ホラーコンサルタント?」
「へぃ。ワテはホラーを求める迷える人々にホラーをお届けする仕事をしとります、田貫と申します」
田貫と名乗った怪しいおっさんはチョコンとお辞儀をする。可愛くねぇなぁ
「しかしキツネあきまへんわ。キツネなんぞ当てにしてたら、何年かかった所でホラーになんか行き着きまへん。ワテに任しといたら、極上のホラー案内できまっせ」
後輩も突然の妙なおっさんの出現に、どう対処したら分かんねぇようだ
「まあ、こんなキツネの縄張りで話すのも何ですから。先にお食事でしたね?食べながら話でもしまひょか。美味しい所も知ってまっせ」
ぼんやりしてる間におっさん主導で話が進んで行く
視界の隅のお稲荷さんの置物が、眉間に皺を寄せて険しい顔になってた気がしたが
気のせいか
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