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「だらぁー!!」
「甘いっ!!」
少女は鋭い声と共に、男の一撃を意図も簡単にかわした。そしてそのまま男の脇にまわり、男の手首に鋭い一撃を放った。
「いってぇ!!」
あまりの痛さに、男は持っていた枝切れを落とした。
その男に、少女は鋭い声で一喝する。
「まだまだだ!私に対してもその程度で、兄様に勝てると思っているのか!?」
「思ってません。参りました、すみません。もう藤助様のことを弱いへなちょこだと言いません…」
「なら、剣の修行にも励め。多少はマシになったら、また相手してやる。」
枝切れを放って、少女は左袖から包帯を取り出した。適当に切って、痛がる男の手首に巻いてやる。
「すまない、力加減を間違えたようだ。あまり酷ければ、後でまた来い。然るべき治療をさせてくれ。」
「いえそんな!俺が油断してたせいですから、気にしないでください!!」
「だが…」
「良いんです。それに、椿姫様と相手出来て俺嬉しいです。やっぱり強いなぁ。さすが光陰姫!!」
「やめろ、大袈裟だ。」
言いながら、少女、もとい椿姫は包帯を巻き終えた。
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