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「……お前、これどうした?」
「へ?」
ある週末の夜。
立夏の部屋に遊びに来ていた俺。
ベッドの上で雑誌を読んでゴロゴロしてたら、急に立夏が覆いかぶさってきた。
立夏の視線の先は、俺の首筋。
(首、筋……?)
「げっ!忘れてた!」
ふと昨日あった出来事を思い出し、咄嗟に首を押さえた。
大学のサークルの飲み会で、酔っ払った後輩に不意打ちで付けられたキスマーク。
全くもってやましいことはない。同席していたヤツがキス魔で、単にふざけてただけ。
なのに……
やべ、
この焦り方は怪しい。
何もなかったのに、我ながら怪しいぞ俺!
「へぇ……」
案の定、立夏の目がすぅっと細まり、冷たい空気が肌を刺す。
誤解されたくねぇし、立夏には言わないでおこうと思ってた。
けど首筋にくっきり付いたソレを隠すことをすっかり忘れてた。
挙げ句、テンパりすぎて怪しさMax!
咄嗟に口から出た一言も余計だった。
バカすぎんだろ、俺……。
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