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スラッと伸びた長身。
シンプルながらセンスのいい私服を纏った、涼しげな超のつく美形──。
一般人にはないオーラを放つ“その人”を見つけた瞬間、俺は走り出した。
場所は近所のスーパー。
買い物カゴを持って野菜を物色中のところを発見できるなんて……
超レア!俺まじラッキー!
ってか食料品を物色する姿が新鮮すぎて胸が高鳴りまくりなんですけどっ!
実家暮らしなのに、響先輩によると物凄く料理上手らしい。
家庭的なイケメンとか素敵すぎて……!
「桜井さぁーーーん!!」
「……げ、」
俺の高揚とは裏腹に、憧れのその人──桜井さんは、俺を見るなり盛大に顔をしかめた。
読者モデルとしてそこそこの収入を得ている俺。
我ながら自分にはそれなりに自信はある。
でも、桜井さんを初めて見た時にその自信は吹っ飛んだよ。
男の自分から見てもカッコ良い。
雰囲気、立ち振舞い、もちろん見た目も完璧。
スカウトされない訳がないのに、芸能界に興味がないのがまじで残念。
一緒に誌面を飾りたいと思ったのがきっかけで、いつしか桜井さんを見るたび追いかけ回すのが習慣と化していた。
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