終わらない夏休み

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 大体、高校の夏休みの宿題ってのは量が多くて困る。  やる気のない僕のような生徒が夏休みの最初に宿題を終わらせれるわけがない。  ……話を戻そう。  その異変に気付いたのは七月十六日。  終わらない宿題に嫌気が差し、宿題を諦めて始業式に臨もうとして寝たはずの八月三十一日。  お分かりしていただけたでしょうか? 八月三十一日に寝た筈なのに九月一日は訪れることなく七月十六日が訪れたのだ!  九月一日だと思って起きてみたら九時はとうに過ぎていて遅刻したと思って慌てて制服着てみれば、笑いを堪える妹がいた。 「おい! 今日から学校なのに何でパジャマなんだ!」 「何言ってんの? 暑さで頭が狂ったの? バカなの? アホなの? カスなの? 死ぬの?」  妹よ、兄に暴言を吐くのはやめてくれ。  兄の心はガラスのチキンハートなんだよ。 「この野郎め、何だその僕に対する暴言わ!」 「今日から夏休みなのに『今日から学校』とか言いだすキチ〇イがほざかないでよ」 「はい割れたぁ! 今の発言で僕のガラスのチキンハートは粉々に砕け散ったよぉ!」 「そもそも、兄にハートがあったことにビックリ!」  最近の妹は反抗期の真っ只中らしい。
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