無心者

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『これ、どうなってるんだ!?』 『お前ニュース見てないのか?俺は今避難所にいる。お前の親父と母親もいるぞ。心配している。』 『避難所ってどこだ?』 『船だ。もう海へ出ている。』 遅れた―――。 最悪だ。 俺は聞きたかったことを一つ聞いてみた。 『こいつらってゾンビなのか?』 『ゾンビとは違うらしい。心を失くした人間らしいんだ。名は「無心者」心を喰らう悪魔。心を喰われた人間は、無心者になってしまう。襲われたらまず殺せ。殺していい許可が下りたらしい。』 なんだよ・・・ 『分かった。んじゃ、また会おう。』 『会うってお前どこで会うんだよ!この船は、最低でも3日間は海の上だ。3日後に軍がそちらに向かうらしい。それまで生きててくれ、頼む、劉!』 『なるべく頑張る。』 俺は、電話を切った。 怖い。恐怖心なんて感じたことは余りなかった。 次に愛美に電話してみた。 『あ!劉?助けて!家の周りに無心者がいっぱいいるの!お願い!』 『分かった!すぐいく!』 俺はバカだ・・・。 助けるなんて不可能だろ。 そう感じていたが、俺は、愛美の家に走っていた。
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