無心者

2/7
前へ
/7ページ
次へ
平凡。 何もかもが平凡。 俺には、それが一番。 このまま、平凡な人生を送りたい。 今は、学校の休み時間。 後ろから声がした。 「坂島君、今日一緒帰らない?帰れるなら、放課後、体育館裏に来て。」 坂島、俺の事か。 俺に喋りかけたのは、誰だ? 後ろを振り向くと、愛美が立っていた。 このパターンは、分かる。 一緒に帰ると言い、道の途中で告白するパターンだ。 愛美は、そう言い残すと、どこかへ行ってしまう。 実際言うと、俺も愛美の事が好きだ。 優しく、可愛い。 「えー?何々?今の愛美だろ?何って言ったっけ?一緒に帰る?」 亮がニヤニヤしながら、俺をおちょくってくる。 「何だよ。俺が、付き合ったらおかしいか?現にお前も恵理と付き合ってるじゃんか。」 「別におかしくないけどぉ?じゃあ聞くけど、俺と知恵、付き合ったらおかしいか?」 「別に、むしろお似合いかもな。」 亮は、まだニヤニヤしている。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加