ACT 2

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パキリ。 何かの割れるような音が、脳内で木霊する。 もう、こんなおかしな事にも慣れてしまった自分に、危機感すら持てない。 次の瞬間には、音の事など忘れ、また前を向く。 まぁ、理由は今が授業中っていうのもあるけど。 私は、教室の真ん中の良くも悪くもない席で、頬杖をつきながら再び授業に耳を傾け始めた。 先生のだるそうな声だけが響く、せまい教室。 一見、なんてことない普通の風景。 熱心にノートをとる人、手紙を回す人、居眠りをする人。 ありがちな高校生の授業態度だろう。 …けれど、一点だけ、確実に普通と違う様子。 それは、この教室に居る、先生や私含めた生徒全員に共通して言える事。  
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