ACT 2

3/14
前へ
/30ページ
次へ
皆が皆、目に見えない「あること」に怯え、恐れているんだ。 「では、次の問1から3を―――、鹿島。」 これもありがちな光景。 先生が生徒に問題を解かせようと指名する。 ……でも。 この指名が、また、今日も恐怖を呼ぶと、誰が知っているのだろう。 指された生徒は私。 私は立ち上がり、教科書に視線を移しながら、解答しようとする。 でも、私は知ってた。 次の瞬間、何が起きるかも。 「…問1は[イ]、2は――」 ――――ガシャン!! 窓ガラスの砕け散る音が、教室に響く。 広範囲に飛んだガラスの欠片のうち一つは、私の左頬にキズをつけ足元で砕け散った。 恐怖が部屋を支配する。 悲鳴、怯え。 そんな中私はただ、無感情に頬のキズに手をあてた。 生暖かい液体が指先に纏わり付く。 「――またか、クソ…ッ!! どうなってやがる! このクラスは…!」 先生は忌ま忌ましげに黒板を殴った。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加