ACT 2

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はじまりは、本当に小さな、記憶にも残らない筈の、異変だった。 身につけている物。 例えば、無くなっても気付きにくい黒ピンやヘアゴム。 毎日置く筈の場所から、前日着けたものだけが無くなるという、些細なこと。 置き忘れたんだろう、で済むような、小さな異変。 それが、いつからだろう。 私の周りで起きる、奇怪な異変が、大事になり始めた。 学校では盗難事件が起き、先程のようにガラスは頻繁に割れ、学校帰りに寄ったデパートでは、誰もいなかったトイレでボヤ騒ぎ。 家路につけば、隣で起きた交通事故。 その異変は着実に、穏やかな日常を奪おうとしている。 しかも、今のように私に直接攻撃するケースはほとんど無い。 ボヤ騒ぎ然り、交通事故然り、大概被害は周りの人間に出てしまう。  
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