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とんだ疫病神だ、と自分でも思う。
ただ、奇跡的に死傷者が出ていないのが唯一の救いだった。
逆にそれが「次こそは死傷者が出る」のではないか、と恐怖を煽っていたとしても。
「……ハイ、もう大丈夫よ。」
保健室の先生が、慣れた手つきで私の頬に大きなガーゼとテープを貼り付け、にこりと笑う。
5cm強程のキズはそれ程深くはなくて、跡も残らないと言われた。
ただ、滴る血の犠牲になったワイシャツについては、「残念だったわね…」と言われてしまったのだけど。
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