1.企み

11/33
前へ
/456ページ
次へ
普通なら注目される存在なはずなのに、自然すぎて誰も気にとめていない。 「えーっと満月ちゃんって呼んでいい?」 アリサがもう1人の子と席を外した隙に、隣に移動する。 「呼び捨てで良いですよ。ちゃん付けはあまり好きじゃないから…」 何かどっかで聞いたセリフ。あ、ついさっきだ。 「絵美にも同じこと言われたなぁ…」 章に彼女を紹介された。松浦絵美(マツウラエミ) 聞けば今回の企みは絵美が言い出した事らしかった。前々から俺の話を聞いて、また彼女と別れたら連絡がほしいと。 だから、俺から言い出さなくても合コンは設定される予定だったらしい。 「じゃあ、俺も敬語好きじゃないからタメ口で。」 すると、目を瞬かせてクスッと笑う。 「章くんに初めて会ったとき同じ事言われた。友達ってそういうとこ似るのかなぁフフッ」 うん。可愛い。 「なぁ、この後2人でどっか行かない?」 耳元で囁く。
/456ページ

最初のコメントを投稿しよう!

362人が本棚に入れています
本棚に追加