1.企み

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「ったく。ホントにいい子だったのに。」 「フラレたんだよ…」 「はっ?お前が?」 これまで彼女が出来たら大事にするけど、飽きたらあっさり別れることが出来た。 でも、今回は少し違ってたのだ。 我が儘は言わないし、束縛もしない子で、本当に付き合っているのかこちらが不安になるくらい放任主義。 他の女と話していても嫉妬しながらも怒ることは無かった。 そんな彼女に甘えて俺は好き放題な生活を送っていたんだから、別れを切り出されても仕方なかったのかもしれない。 「で?どうせまた次決まってんだろ?」 「まだ。」 「珍しい。そんなにすぐ切り替えられないなら別れなきゃ良かったのに。」 「しがみつくなんて、カッコ悪いだろ。てか、切り替えられないとかじゃない。ただ…」 最後に言われた言葉が引っかかっているだけでー‥
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