第1章:はじまり

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がさがさ… 「ありがとー。おっと!プリント落とした!どこのノートに挟まってたんだっけ、コレ」 「落ち着いて?二、三分遅れたって別に大丈夫よ。まだ4時まで五分もあるわ」 「それじゃダメ!だって、地図に書かれてた『指定された部屋』のある建物って、私、行ったこと無いんだもの。っていうか、この春、入学した時の校内案内でも、行ったこと無いと思うんだ。しかも、去年の受験の時から、この学校の校内図は何回も目にしてきたけど、そんな建物なかったような気がするし…。だから、絶対 迷いそうなの!だから、早めに行きたいの!」 「律儀ねぇ」と言いながら、あかねは、奈央子の机の上の、一枚のプリントを手に取った。 「地図を見た限りでは、女子寮の奥にあるみたいね。校舎じゃないんじゃない?男子寮も近くだし。でも、この学校には男子寮と女子寮の二つしか寮は無いわ」 「 良し!ノートは全部入った! 」 「もしかすると、あたし達が一年生ってだけで、二、三年になったら、使う校舎なのかしらね?」 「良し!後はファイルだ!」 「それにしても、何なんだろうね?その『太田さんだけに、極秘で連絡したい事があるから、放課後、指定された建物の部屋まで来るように』って」
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