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一人の若い女性が、大きな椅子に座って、山積みの書類の山から、顔を覗かせている。
部屋の中に入る寸前、ちらりと左右の廊下を見ると、同じような部屋のドアが、ズラリと並んでいた。
「なぜ私が太田だと すぐに分かったのですか?」
「貴女しか呼んでないからよ。極秘って書いてあったでしょ?」
「はぁ……」
そして、部屋を見渡そうとした時だった。
「チョコ寮へようこそ、太田さん。」
「はへ?」
一瞬、メルヘンの絵本の世界にいるのかと奈央子は思った。
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