8人が本棚に入れています
本棚に追加
「まだ、説明はゼロだったな。
一から説明するとしよう。」
レオンさんはすこし悲しそうに続けた。
「樹や豊、君たちの母や父が住んでいるこの世界は、人間界と呼ばれている。それは、理解できるな?」
レオンさんは優しく問いかけてきた。
「はい、わかります」
それぐらいオレにだってわかるさ。
「ここからだ。人間界と呼ばれるこの世界の他にも世界があるんだ」
オレはレオンさんの言葉の意味を理解できなかった。
すると、
「樹、わかるか?その顔を見るとわかってなさそうだなぁ。だから、世界が二つあるってことだよ」
豊が説明してくれた。
が、それでも意味がわからない。
「はい、なんとなくわかるような気がします。続けてください」
わからないが進めてもらった。
「ここは人間界。そして、我らの世界の名を獣間界(じゅうかんかい)と呼んでいる」
いかにも、獣臭そうな名前だ。
「獣間界!?」
オレは繰り返した。
「獣間界とは?」
「この世界では、人間が支配しているだろう。あっちの世界ではオレのような獣が世界の動きを作っているんだ」
もう、何がなにかわからない。
ただ、耳を傾けるしかない。
「そして、ここからが本題だ。その我らの世界に一人の人間が侵入してきた。普通、世界の移動は人の死によってしかできないものなんだ。」
「人の死!?」
「そうだ。君たち人間は死ねば、天国にいけると思っているだろう。だが、違う。人間は死ねば、獣間界に移動になる」
「え!?獣間界に行くんですか」
「獣間界は良い所だ。そして、獣間界では、人間界での暮らしが重要になっているんだ」
「なぜですか」
最初のコメントを投稿しよう!