始まりはnight

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「まだ、説明はゼロだったな。 一から説明するとしよう。」 レオンさんはすこし悲しそうに続けた。 「樹や豊、君たちの母や父が住んでいるこの世界は、人間界と呼ばれている。それは、理解できるな?」 レオンさんは優しく問いかけてきた。 「はい、わかります」 それぐらいオレにだってわかるさ。 「ここからだ。人間界と呼ばれるこの世界の他にも世界があるんだ」 オレはレオンさんの言葉の意味を理解できなかった。 すると、 「樹、わかるか?その顔を見るとわかってなさそうだなぁ。だから、世界が二つあるってことだよ」 豊が説明してくれた。 が、それでも意味がわからない。 「はい、なんとなくわかるような気がします。続けてください」 わからないが進めてもらった。 「ここは人間界。そして、我らの世界の名を獣間界(じゅうかんかい)と呼んでいる」 いかにも、獣臭そうな名前だ。 「獣間界!?」 オレは繰り返した。 「獣間界とは?」 「この世界では、人間が支配しているだろう。あっちの世界ではオレのような獣が世界の動きを作っているんだ」 もう、何がなにかわからない。 ただ、耳を傾けるしかない。 「そして、ここからが本題だ。その我らの世界に一人の人間が侵入してきた。普通、世界の移動は人の死によってしかできないものなんだ。」 「人の死!?」 「そうだ。君たち人間は死ねば、天国にいけると思っているだろう。だが、違う。人間は死ねば、獣間界に移動になる」 「え!?獣間界に行くんですか」 「獣間界は良い所だ。そして、獣間界では、人間界での暮らしが重要になっているんだ」 「なぜですか」
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