8人が本棚に入れています
本棚に追加
「そして、我がこの体、ライオンは王族に支えし者になる」
レオンさんは、すこし誇らしげな表情を見せた。
「ってことは、レオンさんは王様の護衛部隊ってことですか?」
豊は割って入ってきた。
「護衛部隊ってわけじゃない。オレは王様の…」
「王様の?」
「護衛だ」
レオンさんは言葉がみつからなかったのか、護衛だと言った。
「さっき言った、不法侵入者はオレと同じ、ライオンの体を持ち、毛並みは白、目は青。獣間界でホワイトライオンになれる人間は人間界で偉業を成し遂げ、最高の賞として、その体があたえられた者だけだ」
レオンさんより、すごいのがいるのだとオレはすこし興奮する。
「だとしたら、その人はすごい人だったんでしょうか?」
好奇心で聞いてみた。
「いや違う。普通、人間界から獣間界に入るには死を経験しなければならない。でも、そいつは一度も死んでなんかいない」
「これまで、幾度か不法侵入者がいたから、王様は見分けることができる。まぁ今までのやつらは皆、誤って入ってしまったケースだがな」
「その人たちは、王様に見つかって捕らえられるのですか?その後どうなるのですか」
「記憶を消し、王様の手によって人間界 に戻される」
最初のコメントを投稿しよう!