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記憶を消されるのか…
このときオレは、あっちにいけばオレの記憶もやられるのだろうと察したがなにも言わなかった。
「その今回の不法侵入者は“誤って”じゃなく、自らの意思で移動にしたと思われる。だとしたら、強敵になるだろう」
「自らの意思で移動するには、それなりの技術が必用で、本来、人間界からの移動は不可能。獣間界からの移動は可能になる」
「ただ、今回のやつは強敵だと推測上されるだろう」
ん、待てよ…。
ってことは…
「俺たちは何をすればいいのですか?」
聞きたくないが聞くしかない。
レオンさんは、うつむいてゆっくり話始めた。
「君たちは、選ばれたのだ。」
「誰に何をですか」
豊が思わず、質問した。
「王様の命令だ。すまないが君たちには、獣間界を救ってもらう」
「えっ?」「えっ?」
ここでも、豊と声が重なってしまった。
レオンさんは、答えた。
「獣間界、王、エレフ様の命(めい)により、君たちを強制連行する」
「はぁ?わけわかんないっすよ…」
当然だ。
オレにもわからない。
「すまない」
…………。
色々なことが頭に浮かんできた。
結花のこと、父さんや母さん。
色んなことから、一度、離れなくてはならない。
…………。
「わかりました。救ってやりますよ」
オレは勇気をもって、いや、すこし恐れていたかもしれないが言ってやった。
続いて豊も、
「しょうがないですねぇ。今回だけです」
レオンさんは、嬉しそうに、しかし、申し訳なさそうに。
「ありがとう。かたじけない」
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