始まりはnight

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「でも、なんで俺たちなんですか?他にも人間はたくさんいますよ」 豊が疑問に思ったのだろう。 もちろん、オレも思っていたが。 「君たちはエレフ様に選ばれたのだ。私にはわからない。」 なーんだ、わからないのかと言った感じで、 「ふーん。そーなんだ」 「っていうか、エレフ様ってなんの動物なの?」 続いて、 「確かに!!オレも気になります」 「象だ」 ………。 そーいえば………。 「ダジャレですか………」 「なぜだ?」 レオンさんは困ったように答えた。 「だってぇ、象は英語でエレファント、前の三文字をとってエレフでしょ」 笑いながら豊は言った。 「ガァオォォァン!!!」 レオンさんは俺たちに威嚇をした。 「エレフ様をバカにするんじゃない。例え君たちだろうとそれは許せないぞ」 すぐに、冷静になった。 そんなに、偉いのか、エレフって。 なんて、心で思っていた。 今日は満月だなぁ…。 ふと、オレは空を見上げた。 ………ン!?…。 なんだアレ!? 動いているよなぁ!? 「レオンさん、あの屋根の上で何か動いていますよね!?」 「………な、何!!ホワイトライオンだ!!」 レオンさんは驚きを隠せない様子だ!! 「君たちはすぐに、二十五番地の空き地に行ってくれ」 レオンさんは焦っている。 「レオンさんはどうするんですか?」 オレは問いた。 「私はやつを捕まえる」 胸を張ってそう言って、オレたちに背を向け、 「行けッ」 という声と共に走っていった。 「しゃあねぇ、樹、行こう」 「あぁ、そうだな」 オレはいつもの、クールさをまだ、保っている。 いったい何が起きているのかを、 まだ少し理解できていないのだ。 「行こう」
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