だから俺は姉貴一筋だっつってんだろーがあああ!

3/12
前へ
/12ページ
次へ
………………。 ミーンミンミーンてコノヤロー。 今何時だと思ってんだ、ああ? うるさくて眠れねーよバカタレが。 「ミーンミンミーン」 「いい加減黙らねーと潰すぞチビ」 「てへりんこ」 午前6時。 ガタガタと音をたてるクーラーに目をやれば予想通り壊れてた。 「だってさあああ、熱いとさあああ、なんか蝉になりたくなるじゃん?」 俺のベッドの隣にひいた布団の上にいるナルが言った。 「ちっ」 舌打ちをしながらクーラーに目をやり、どうしたもんかと思案する。 すると蝉になりきっていたあのバカが急にすくっと立ち上がって部屋を出て行った。気味が悪い。何を考えているのかさっぱり分からない。 「やっぱコンセント抜かねーとダメか」 奴の突発的行動には慣れてるから得に気にせず椅子に乗りクーラーのコンセントを抜こうと力を入れた。 なかなか固いな。 そう思っているとドアが開いた。 「ほわちゃー!」 「少しは静かにできねーのか」 「な、なによっ!あ、あんたのために持って来たんじゃないんだからねっ!」 「…………」 意味不明に顔を赤らめるバカにドン引きしていると何か手渡された。 つまようじだった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加