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今さらだが俺の名前は米倉逞(よねくら たくま)。そして俺の姉貴は米倉果奈(よねくら かな)だ。
ちなみに俺達には親がいない。
まあいないと言っても存在しないという訳じゃなくてただ離婚していないというだけ。
5つ上に兄貴がいたが、奴は両親が離婚する前にアメリカへ渡り音信不通になった。
親が離婚したとき俺は15歳で姉貴は18歳だった。
もう自立できる歳だと思ったのかそれともただ愛情がなかったのか、両親共に親権を主張せず俺達は2人で生きていくことになった。
それから2年。
俺は高校3年、姉貴は大学3年になり、2人で協力して生活費と授業料を支払うべく、バイトばかりの生活を送っていた。
「やっぱ世の中金よねえ。金のない男の来世なんてフンコロガシがお似合いよ」
姉貴は金を愛していた。
「いや俺は金だけが全てじゃないと思っていたのは遠い昔の錯覚でした」
反論をすると睨まれた。
そんな姉貴が俺は大事だった。
「まあまた新しいバイト探せばいいよ。見つかるまで俺が頑張るからさ」
「逞ちゃんったら優しいわね。あたしも頑張って早くバイト探すわ」
姉貴の笑顔に見とれながらも俺は笑顔を見せた。それが8日前の話。
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