筆頭シェールの切り札

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  今日は日差しも強くないので 裏庭で午後ティーをして ついでにそのまま 何があろうと 当然のごとく 仕事をサボるつもりなのだ。 ファイヤンス 「だから、うるせーての」 本編が始まってから 一度も真面目に 仕事をしない属性王に 文句を言う資格は ないのである。 ファイヤンス 「俺だって、ヤる時ゃ ヤるつーの」 五席 「いや、ファイヤンス様 『や』がカタカナだと ある意味ヤヴァい気が」 四席 「そーゆーお前も、 何で『ヤヴァい』なんだよ」 五席 「……ノリ?」 三席 「ノリかよっ」 ファイヤンス 「アーッハッハ。 俺ぁ、そのノリは 嫌いじゃないぜ」 炎籃 (こいつ等…… 火炎属性トップの自覚が あるのか、ないのか……) 目の前で繰り広げられている コントの様なやりとりに 頭が痛くなる炎籃。 どちらかと言うと、 彼も仕事は真面目に、という シェールよりの考えだ。 炎籃 「筆頭シェールに 見つかったら無傷では 終らんだろうに……」 ??? 「その通りだよ」 炎籃 「!?」 急に聞こえた 聞こえてはいけない筈の 男の声に、 軽く三十センチは 飛び上がる炎籃。 声をかけた男は 炎籃の横を無言の圧力を かけながら通り過ぎ、 ノリで騒いでいる 仕事をしない城主と 上位衆の直ぐ後ろに立つ。 騒ぎに騒いでいたせいで 人の気配が増えても 気付かなかったのが 彼等の敗因。 気付かなかった時点で チェックメイトである。
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