筆頭シェールの切り札

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  シェール 「テメェら…… 覚悟はいいか?」 何があろうと 己が主ファイヤンスには 敬語を使うシェールが その口調を変える。 ファイヤンス 「やべぇっ シェールがキレた」 シェールの口調が変わる時 それは彼が本気で怒り その感情を爆発させる時。 風が吹いてもいないのに 裏庭の木々が ざわめき揺れる 五席 「こ、この プレッシャーは……?」 今迄に感じた事のない 異様な圧力が 裏庭を覆っていき シェールの背後に 土煙が上がる。 それと共に感じ始める 地中の奥底から 何かがやって来る地響き。 木々のざわめきは そのせいだったのだ。 足元で僅かに舞っていた 土煙が徐々に強くなり その陰に隠れて何かが 迫り出してくる。 四席 「デカイ…… あれが筆頭の切り札!?」 三席 「まさか 実在しただなんて……」 土煙を通して見える 巨大なシルエットを 信じられない表情で 見上げる四人の男。 炎籃は、目の前で 繰り広げられている 光景が信じられないのか 瞬きをして、目を擦る。 ファイヤンス 「気ぃつけろ…… アレを出されたからには 俺でもお前達を 庇う余裕は無い」 精霊世界一の戦闘属性である 火炎属性最高峰 火王ファイヤンスでさえも 余裕が持てない。 筆頭シェールは 迫り出してきた影の肩に乗り 遥か高みから ファイヤンス達を 見下ろしている。 土煙が晴れた時、 巨大な物体の全てが現れる。 精霊世界ではあり得ない 角ばったシルエット 冷たく光る鉄の塊 釣りあがっているが クリンとした瞳…… ピンと横に張った 太い木の幹の様な ……ヒゲ? アスキーアートで オメガで表現されるような 愛らしい口…… シェール 「禁断の超秘技! オレの怒りを 思い知りやがれっ!!」 魂の絶叫とでも言うのか 巨大物体の肩から ファイヤンス達に向けて 大声で叫ぶ。 シェール 「召喚! 超合金ニャンコDX(デラックス)っ!!」 高笑いをする シェールの声と共に どこからか解らないが サーチライトが 照らし出した姿は…… 合金ロボ型猫だった……
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