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「パパぁ？早くしないと間に合わないんじゃ無いの？」
妻の結子（ゆうこ）に急かされ、時計に目を向ける。
(そろそろかな...)
お腹の上にのり、はしゃぐ息子に和やかに問いかけてみる。
「ふうちゃん、今何時？」
「ん～～.......８！！」
息子の楓太（ふうた）は閃いたかの様に自信たっぷり答えた。
現在時刻は１８時３０分...。
兄貴の住む『福島市』まではどんなに急いでも１時間以上かかる。
「そうだな、そろそろ出とかないと祝う前に誕生日終わっちゃうか。 よしっ！ふうちゃん靴下履けっ！」
楓太の笑顔がいきなり曇りだした。
「えぇ～、ふうちゃんパパとお留守番が良いな....」
まだまだ遊び足りないのか、それともまだ産まれたばかりの時に顔を出して以来それっきりの兄貴に逢うのが怖いのか、あからさまに不満顔だ。
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