不可解すぎる死

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車に乗り込みニコニコ顔の楓太と疲れた様子の結子を乗せ、兄貴の家を目指す。 買出しは福島市に付いてからでいいか...。 「お兄さんびっくりするだろうね?」 サプライズ好きの結子にとって、やる方もやられる方も同じ事らしい。 「きっとあいつは今日が自分の誕生日って事すら忘れてるんじゃないか?」 きっと兄貴は今も昔もずっと変わらずあのまんまなんだろ、と考えるが 「お兄さんってそんなに無頓着な人なの?」 「あぁ...」 軽く返事をするが今更ながら(どんな奴だったっけ?)と考えるとあまり兄貴の事を良く知らない自分に気がついた。 普段から会話を交わす事なく、ただ一日を生きていく。 そんな印象しか思い出せない...これを機会にもっと歩み寄ってみるのも良いかもしれないな。 そういえば後ろが静かだなぁ、と思ったら「スー....スー....」と静かな寝息を立て楓太が首をコクコクさせている。 (こんな小さな幸せを兄貴に少しでも分けてあげられればなぁ...)等と考え表情が柔らかくなった。
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