混沌の序章

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そんな気持ちのまま向かう先は、何の脚光も浴びない中小企業の製薬会社。 そこの営業マン。 妻とは4年前に職場で知り合い、普通に恋をし、普通に結婚をし、子供も早い内に恵まれた。 家族が出来た。その事だけが今の生活への原動力と言っても良い。 それまでの俺は幼い内に両親を亡くし、7つ上の兄貴と2人で生活をしていた。 両親の死んだ理由なんてのも詳しく知らない。知ろうとしないだけなのかもしれない。 当時10歳の兄貴が第一発見者なのだ。 唯一の肉親だけに、聞くのが躊躇われる。 しかし考えが甘いせいもあってか、よく生活にも困らず高校卒業まで出来、今の生活までこぎつけたのか何の疑問も抱かないままいたもんだ。
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