5人が本棚に入れています
本棚に追加
結子と結婚し、一緒に暮らし始める上でも兄貴には一声掛けただけ。
「じゃぁ、俺結婚するから出ていくわ...」
それに対して兄貴の返答も一言。
「あぁ...」
それ以来沿岸部に住居を持ち、結婚式も開いていない為兄貴と再開したのは楓太の出産の時のみ。
きっとまだあのアパートで、あいも変わらず不規則に生活しパソコン漬けの毎日なんだろうな。
「ケーキを持ってくだけじゃなくって、悪いけど何か栄養あるもん作ってやってくれないかな?」
ふと過去の兄貴の姿が目に浮かび、急な提案をだしてしまうが
「お兄さんきっと細いまんまなんだろうね。分かってるよ」
笑顔で当たり前じゃない!と言わんばかりの結子の返事。
自然とこちらも笑顔になり「ありがとう」の言葉が口から零れていた。
最初のコメントを投稿しよう!