出会い

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いつものことだけれど、人で溢れているこの街。 田舎育ちの田舎住みのわたしには、当分慣れることもない場所。 人込みの中、ふいに手を捕まれた。 それはもう何の予備動作もなくごく自然に。 ぽかんとする。 隣には表情一つ変えず、手を繋いだままの聖弥。 え? うれしいとか、恥ずかしいでもなくぽつんと思ったこと。 女慣れしてるなぁ…妙に感心する。 久しぶりに誰かと繋いだ手。 特別離す理由も思い浮かばずそのまま。 緊張して手に変な汗かいてきたのがとてつもなく恥ずかしかったけれど、振りほどいたらもう繋いでくれない気がして。 そのまま街を何かするわけでもなく、ぽつぽつ喋りながら歩く。 案外悪い時間でもない。 会話の内容はよく覚えてないけれど、疲れたなと感じたら察して休憩をいれてくれたりとエスコートは完璧だった。 メールでは見えなかった聖弥の顔。 一目惚れだったのかもしれない。
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